平成9年5月21日
労働省 職業安定局
障害者施設対策課長
松 浦 弘 行 殿
糖尿病を持つ人の就職時の差別撒廃についてのお願い
現在厚生省の調査によるとわが国には約600万人の糖尿病患者がおり、その対策が大きな問題となっています。
さて、糖尿病は生後間もない小児にも発症しますが、特に近年は小学生、中学生の糖尿病が次第に増加しております。その大部分は、成人の糖尿病とは異なり偏った生活習慣などによるものではなく、自己免疫異常によっておこるものであります。このような患児は一生インスリン注射を続けなければなりません。しかし、インスリン注射を続ければ近視の人が眼鏡で普通に活動できるのと同様に、健常人と変わりなく勤務も仕事もできます。欧米先進諸国では、インスリン治療をしている人が就職できないのは、パイロットなどの限られた業種でその他はすべてオープンにされています。
しかし、このようなことが常識となっていないわが国では、就職時に糖尿病があるというだけで採用を拒否されるということがあるのが現状であります。このために糖尿病かあると定職につくことが困難で、所得が少なく、また人に隠すことになるので、充分な治療が受けられずに早死する人が少なくありません。まことに歯がゆい思いのすることであります。
当協会ではこのような偏見、差別をなくすように活動を続けておりますが、労働人口の減少が予測されている現在、貴殿におかれましては、糖尿病を持っ人に対する就職時の差別を撤廃し、その
能力を発揮できるような社会環境づくりをして下さるよう、行政的ご配慮をお願い申し上げます。